研究概要 |
腰椎椎間板疼痛モデルの作成 SDラットを使用した。椎間板を21G針穿刺にて椎間板変性モデルを作成する。椎間板を支配する後根神経節細胞を神経トレーラを用いて調べた。変性椎間板では神経ペプチドであるsubstence P、CGRPの連続的な増加を免疫組織学的に証明した(Inoue et al.,Spine in press 2006)。また椎間板性疼痛に関連する神経ペプチドであるsubstence Pを神経毒の一つであるサッポリンで特異的に抑制することも報告した(Ohtori et al.,Spine in press 2006)。 遺伝子導入と導入遺伝子発現 体外衝撃波を用いた椎間板や神経細胞への遺伝子導入はin vivo, in vitroにおいて、造影剤であるオプチゾンを用いて行なった。 Lac-Zを組み込んだAdeno-associated virusを経坐骨神経、後根神経節に導入し、後根神経節や脊髄における遺伝子導入を示した(Saito et al.,JOS 2006)。また椎間板へも数十倍の遺伝子導入効率であることを証明した(Murata et al.,ISSLS 2006)。さらにそのような神経伝達に関して重要である、リガンド、リセプターの下流に存在するmitogen-activated protein kinaseである、ERK, p38が、腰椎椎間板ヘルニアのような神経障害時に発現が増強され、またp38の阻害薬を用いるとその疼痛行動や、神経障害が抑制出来ることを証明した(Doya et al.,2005,Ohtori et al.,2005)。
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