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2006 年度 実績報告書

軟骨細胞分化・アポトーシスの分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17591550
研究機関東京大学

研究代表者

秋山 達  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40376471)

研究分担者 鄭 雄一  東京大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (30345053)
田中 栄  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50282661)
キーワードアポトーシス / 内軟骨性骨化 / Bcl-2ファミリー / 無機リン酸
研究概要

この研究は、軟骨内骨化において重要な役割を果たす軟骨細胞分化・アポトーシスの分子メカニズムの解明を目的として行われた。昨年度までの成果として、我々は培養軟骨細胞を用いて軟骨細胞の分化およびアポトーシスを誘導する実験系を確立した。具体的には前軟骨細胞株であるATDC5にインスリンによる初期誘導をかけた後、20mMの無機リン酸刺激を加えてアポトーシスを誘導した。リン酸刺激後ミトコンドリアからのシトクロムcの放出が確認され、ミトコンドリア経路を介したアポトーシスであることが判明した。さらに、小胞体ストレスが関与していること、アポトーシスには(肥大分化の制御分子である)Runx2は必要でないこと、などが判明した。今年度は、ミトコンドリアの膜電位を調節する分子群であるBcl-2ファミリーについて調べた。Bcl-2ファミリーはアポトーシスを誘導する分子および抑制する分子で構成されているが、アポトーシス誘導分子であるBnip3をRNAiにてノックダウンすることでアポトーシスは抑制された。逆に、アポトーシス抑制分子であるBcl-xLの強制発現でアポトーシスが抑制され、RNAiによるノックダウンでアポトーシスは亢進した。無機リン刺激後Bcl-xLの発現量は不変であったがBnip3の発現量は上昇し、Bcl-xLとBnip3は複合体を形成した。マウス成長板における発現量を免疫染色で調べたところ、Bcl-xLは全軟骨層でほぼ均一に発現していたのに対し、Bnip3は肥大軟骨層に強く発現していた。以上より、肥大軟骨層における無機リン濃度の上昇がBnip3の発現上昇を促し、BnipはBcl-xLに結合してその抗アポトーシス作用を阻害することで軟骨細胞をアポトーシスへ導くことが判明した。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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