研究課題
基盤研究(C)
cGKII遺伝子欠損マウスは軟骨内骨化障害をきたす。我々はcGKIIが軟骨の肥大分化への分子スイッチとして軟骨内骨化に重要な役割を果たすことを解明した。今年度はcGKIIの軟骨肥大分化をさらに詳細に検討するために以下の研究を行った。cGKIIアデノウイルスの作成については、作成はすでに終了し、使用できる状態である。cGKIIの標的遺伝子の同定する研究では、昨年in vitroにおけるcGKIIのリン酸化標的分子として報告されたGSK3bに注目した。GSK3bはマウスの軟骨成長板において前肥大層から肥大層にかけて優位に発現していることを免疫染色で確認した。In vitroにおいてcGKII蛋白はGSK3b蛋白をSer9でリン酸化し、GSK3bを阻害することをWestern blottingで確認した。軟骨肥大分化におけるGSK3bの機能的役割を解明するために、軟骨細胞株ATDC5にGSK3b阻害剤であるLiClを投与したところ肥大分化が促進した。GSK3bヘテロ欠損マウスの成長板は正常であったが、cGKIIホモ欠損マウスにGSK3bヘテロ欠損マウスを掛け合わせたところ、cGKIIホモ欠損マウスの軟骨成長板で見られた肥大分化の遅延が部分的にではあるが救済された。以上より、軟骨肥大分化開始において、GSK3bがcGKIIのリン酸化標的分子として重要な役割を果たすことが示唆された。軟骨特異的cGKIIコンデイショナルノックアウトマウスの作出については、ターゲテイングベクターはすでに構築済みであり、現在cGKII floxマウスを作出中である。軟骨特異的cGKIIトランスジェニックマウスの作出についても、II型コラーゲンのプロモーターの制御下に構成活性型cGKII遺伝子を挿入したトランスジーンの構築は終了しており、現在cGKIIトランスジェニックマウスを作出中である。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
J Bone Miner Metab. 23(3)
ページ: 200-204
Modern Rheumatology 15(6)
ページ: 391-396