研究概要 |
関節リウマチ(RA)の外科的治療法の一つである関節滑膜切除術の新しい方法として光線力学療法(PDT)を応用するという研究を進めている。現在までにRA患者より採取し,作製した培養滑膜細胞において,光感受性物質(photosensitizer)であるATX-S10(Na),photofrin,5-aminolevurinic acid,レザフィリンを用いた実験でPDTの殺細胞効果の得られる条件をMTT assayにより決定している。またPDTによる細胞死はいずれのphotosensitizerにおいてもほとんどがnecrosis機構により生じることを確認している。またRA関節由来の培養滑膜細胞は変形性関節症由来の培養滑膜細胞よりも,よりATX-S10(Na)の取り込み率が高いことを確認している。しかしコラーゲン関節炎発症マウスの患肢のPDTでは患肢がnecrosisになる例があり,PDTの実用にはいくつかの問題がある。またラット関節炎モデルにおけるレザフィリンを用いたPDTでは治療効果が得られている。
|