研究課題/領域番号 |
17591561
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
星野 裕信 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70293636)
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研究分担者 |
長野 昭 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50272547)
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
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キーワード | 破骨細胞 / ビデオマイクロスコピー / 微分干渉顕微鏡 / ビスフォスフォネート / カルシトニン |
研究概要 |
破骨細胞の運動機能および骨吸収能の定量化に関して、本年度は日本白色家兎の四肢長管骨より単離した破骨細胞と、マウス骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養より得られた破骨細胞様細胞の2種類を用い、ビデオ強化型微分干渉顕微鏡(VEC-DIC)システムを用い、コントロールメディウムのみでの破骨細胞のリン酸カルシウム基質吸収面積の計測をタイムラプス観察し、DVDメディアに記録後、画像解析を行った。培養環境、およびコントロールメディウムの条件を統一し、それぞれの破骨細胞において、細胞内構造の観察、吸収窩形成速度のコントロール値を算出した。日本白色家兎由来の単離破骨細胞では、細胞内の液胞形成、核の偏在様式、運動能においてばらつきがみられたが、マウス共存培養より得られた破骨細胞様細胞では、液胞形成、核の偏在様式、運動能においてほぼ均一な性質をもった多数の破骨細胞様細胞が同一視野に観察された。これら二つの破骨細胞実験系において、骨吸収に影響を及ぼす薬物の破骨細胞に対する直接的な影響を調べるため、強力な骨吸収抑制剤であるビスフォスフォネートおよび破骨細胞に受容体を有し、破骨細胞の運動能、吸収窩形成速度に及ぼす影響を調べた。ビスフォスフォネートにはリセドロネートを用い、ヒトにおいて投与される生理的な血中濃度とその10倍の濃度設定になるようメディウムを調整した。両実験系において破骨細胞の運動能、吸収窩形成速度には明らかな変化がみられなかった。今後は、培養液の濃度調整を10000倍まで設定することと、あらかじめリン酸カルシウム基質にビスフォスフォネートを吸着させた状態で細胞内に基質とともに取り込ませる方法を確立する。また破骨細胞に受容体を有し、骨吸収抑制作用を有するカルシトニンの存在下に培養を行い、破骨細胞の運動能、吸収窩形成速度に及ぼす影響を調べ、データ解析中である。
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