研究課題/領域番号 |
17591568
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(大阪医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
三木 秀宣 独立行政法人国立病院機構(大阪医療センター臨床研究部), 研究員 (10335391)
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研究分担者 |
菅野 伸彦 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70273620)
西井 孝 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70304061)
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キーワード | 臨床 / リハビリテーション / 医工学 |
研究概要 |
本年度の研究成果としては (1)システムの発展 昨年度四次元動作解析システムのリアルタイム化を実現し、THA手術後の脱臼と本システムで判定したインピンジメントリスクの関係を示してきた。しかし、1例につきモデル作成のために3-4時間の準備時間が必要であることが問題点であった。今年度はソフトのシステムアップを図り、約30分の準備時間で可能となったことで患者負担を減らし、マーカーの工夫により従来しゃがみこみ動作や正座動作など低くかがむ動作などマーカー遮蔽により追跡が不安定で動作取得が難しい動作でも確実に解析できるように改善されたため、よりリアルな動作を解析中に再現させることが可能となった。 (2)本システムを用いた人工股関節術後患者の脱臼予防、脱臼治療経験の報告 昨年まで人工股関節手術後患者の非脱臼例の動作指導、脱臼例への動作指導、脱臼例への手術加療への応用と、各項目について臨床応用方法を開発してきたが、今年度はこれらの症例経験を包括的にまとめ、従来の経験的画一的脱臼予防、治療と異なり、患者ごとにカスタマイズされた、根拠に基づいた予防治療方法を人工関節術後脱臼の治療経験として2006年第36回日本人工関節学会、および、2006年第15回日本コンピュータ外科学会で報告した。 (3)筋肉包含モデルの作成と予測される関節合力の検証 患者CTから個々の筋肉の体積を計測することにより、患者の股関節周囲のリアルな筋肉モデルを作成し、任意の肢位での筋肉により関節にかかる張力を予測することを可能とするシステムを作成し、論文で報告した(Comput Aided Surg. 2007 Jan;12(1):53-9.、Stud Health Technol Inform. 2006;119:416-21.)。 来年度は、手術での実測股関節合力と本モデルからの推測値の検証を行い、現在の4次元動作解析システムによる脱臼リスク判定の限界であった軟部組織からの緊張を考慮にいれたリスク判定を行えるように発展させていきたい。
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