研究課題
基盤研究(C)
関節リウマチ(RA)に合併する骨粗鬆症は易骨折性や腰背部痛をもたらすため、既存のADL陣害を増悪する重篤な合併症である。RAの動物モデルであるコラーゲン誘発関節炎(collagen-induced arthritis, CIA)ラットの骨粗鬆症に対する薬物療法の効果、ヒトRAにおける骨粗鬆症と関節破壊の関係そして実験的ステロイド性骨粗鬆症の病態について検討し、以下の結果を得た。1.CIAラットを対象として、ミノドロネートの骨吸収抑制機序について組織学的・免疫組織学的手法を用いて検討し、ミノドロネートは破骨細胞アポトーシス誘導ではなく、RANK-RANKL系の発現抑制によって骨吸収を抑制していることを明らかにした。2.選択的COX2阻害薬(セレコキシブ)のCIAラットの炎症と骨粗鬆症に及ぼす影響について、インドメタシンを対照として検討し、COX2阻害薬は抗炎症作用ではインドメタシンと同等で、骨吸収抑制作用ではインドメタシンより有意に強いことを明らかにした。3.エストロゲン非欠乏状態のCIAラットに対するエストロゲンの効果を検討し、エストロゲン欠乏ラットと同様に非欠乏ラットにおいてもエストロゲンは骨量減少と関節炎の抑制効果を持つことを明らかにした。4.ヒトRAの膝変形と骨量の関係を検討し、RA膝の変形は主に脛骨近位端の変形によって発生し、変形の程度は腰椎・橈骨の骨量と負の相関関係にあり、RA膝の変形には骨粗鬆症が深く関与することを明らかにした。5.実験的に糖質コルチコイドホルモン(GC)誘発性骨粗鬆症を作製する目的で、年齢の異なるラットを用いてGCの骨に及ぼす影響を器官ならびに組織レベルで検討した。器官レベルで海綿骨の骨量減少をそして組織レベルで骨形成・吸収ともに低下を示したのは6カ月例齢のラットであり、ヒトのGC骨粗鬆症の病態に近似していた。
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Modern Rheumatology (in press)