研究課題/領域番号 |
17591590
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小林 章郎 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70285287)
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研究分担者 |
岩城 啓好 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20381981)
高岡 邦夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30112048)
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キーワード | グルココルチコイド / CYP3A4 / 特発性大腿骨頭壊死症 / midazolam clearance |
研究概要 |
グルココルチコイド剤は主に肝臓において薬物代謝酵素であるCYP3A4により代謝され、残った部分が標的臓器にいたり作用する。このCYP3A4活性は個人差が大きいことが知られているが、この代謝酵素の活性低下によってステロイド剤が過度の薬理効果をもたらす可能性があり、ステロイド投与に関連する特発性大腿骨頭壊死症(I0N)の発生素因になっている可能性がある。本研究ではこの仮説に基づき、I0N発症患者の肝CYP3A4活性はをmidazolam clearanceを用いて測定、解析を行った。その結果ステロイド性I0N発症患者の肝CYP3A4活性健常人コントロールに比して低値に分布しており、また多変量解析の結果、この肝CYP3A4活性低値はステロイド性I0N発症のリスクを5.3倍高めることが明らかになった。従ってステロイド剤投与に際して、患者個々のCYP3A4活性を計ることによって、投与量をコントロールし、I0Nの発症のリスクを軽減できる、いわゆるテーラーメイド治療が可能となると考えられた。またmidazolam clearanceをより簡便に測定するため、midazolam投与後一回採血法によるスクリーニング試験を開発し、従来法と比較して同様に有効であることを確かめた。今後、ステロイド投与I0N非発症患者に関しても検索し、ステロイド調節量についても詳細に検討したい。
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