研究課題
基盤研究(C)
椎間板変性にいたる分子メカニズムは詳細に解明されていなく、無血管性の環境で代謝をおこなう椎間板細胞における生存シグナルの伝達系に関する報告はこれまでない。われわれは、ラット椎間板を用いてマイクロアレイをおこない、VEGFが髄核に高発現していることを見出した。Real-time PCRでは、ラットおよびヒトの髄核細胞において、すべてのsplice variantを含むVEGF遺伝子が発現していた。そこで、細胞内領域を有するVEGF受容体の遺伝子発現を定量すると、Flk-1の発現が有意に上昇しており、その発現バターンはFlk-1 LacZマウス、Flt-1 LacZマウスにおいても再現性が確認された。次にVEGFシグナルを抑制することによりアポトーシスが誘導された。生体での加齢性変化についてMRI画像で評価すると、ラット椎間板は加齢とともに髄核におけるT2強調画像の信号強度が低下するとともに、VEGFの発現もmRNAレベルで漸次減少した。以上の結果より、VEGFは髄核細胞に対して、その受容体であるFlt-1を介してautocrineまたはparacrineな抗アポトーシス作用を有すると考えられた。また加齢とともにその発現が減少することより、VEGFが椎間板変性の卸制に寄与する可能性が示された。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (8件)
J Hum Genet 51 (12)
ページ: 1063-1067
Spine 31 (11)
ページ: 1194-1200
Neuroscience 140 (4)
ページ: 1453-1465
Hum Genet 119 (6)
ページ: 611-666
J Hum Genet. 51(12)
ページ: 1063-7
Spine. 31(11)
ページ: 1194-200
Neuroscience 140(4)
ページ: 1453-65
Hum Genet 119(6)
ページ: 611-6