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2005 年度 実績報告書

日本人に適した人工股関節の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17591603
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福岡大学

研究代表者

内藤 正俊  福岡大学, 医学部, 教授 (40227715)

研究分担者 秋吉 祐一郎  福岡大学, 医学部, 助手 (30341415)
森山 茂章  福岡大学, 工学部, 助教授 (00299538)
キーワード人工関節 / 生体力学 / 外科 / 機械力学・制御 / 股関節
研究概要

1.平成17年度に人工股関節置換術後2年経過した患者100症例を対象としてF-Scanを用いた歩行分析とともに、正座、屈んで温泉に浸る格好など日本人に固有の動作をビデオ撮影し股関節の動きを立体的に解析している。また術後のレ線やCTにより臼蓋・大腿骨コンポーネントの設置角度を測定し、フェモラルオフセット、股関節中心位置(Hip center)を計測している。特に術後のTrendelenburg徴候と密接な関係にある%FOについて検討を加えている。%FOはフェモラルオフセットを股関節中心位置間距離で割った値であり、この値が20%以上であると正常な股関節外転筋機能を示すTrendelenburg徴候陰性の比率が有意に増加する((J.Arthroplasty,17:747-751,2002))。このことに関して纏めた新たな知見が論文として掲載された(Hip Joint,31:509-511,2005)。さらに人工股関節置換術における歩行中の骨盤の動きと股関節外転筋力および人工股関節設置位置との関連を調べ、得られた知見を第36回日本人工関節学会で発表している。
2.術中での人工股関節インプラント設置での重要な問題点は、手術操作中の骨盤の動きによる設置角度の誤差の発生である。そこで独自の骨盤の動きを術中のリアルタイムで監視する器械を開発し、手術中での後外側進入法とTranslateral approachでの骨盤の動きをそれぞれ測定し、検討を加えている(J.Orthopaedic Science,10:167-172,2005)。これらの知見を元に平成17年4月から平成18年2月までに、従来の2次元的人工股関節設置計画により後外側進入法とTranslateral approachの2群に分け122例の人工股関節置換術行った。これらの症例の手術成績を日本整形外科学会股関節機能判定基準とHarris Hip Scoreを用いて採点し、脱臼の頻度や不安定感を起こす動作などについて調査を開始している。その一部を既に第36回日本人工関節学会で発表している。
3.透視下に最大の屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋の動態撮影(シネラジオグラフィー)を行い、現在使用されている人工股関節の体内での可動域の限界を調べ、様々な機種での大腿骨コンポーネントの頚部と臼蓋コンポーネントとの間での亜脱臼を起こし始める角度を推定した。また、人工股関節術後反復性に脱臼する症例を検討している(Hip Joint,31:580-581,2005)。これらの知見に基づき脱臼を防ぐためのライナーの開発に着手しており、平成18年度には学会で公表する予定である。
4.最近普及し始めた最小侵襲人工関節置換術(Minimally invasive total hip arthroplasy)についても検討を開始している。日本人は欧米人に比べ体格が小さく、肥満も少ない。そこで、この方法による手術は、日本人に適した人工股関節置換術に適しているのではないかと考え、臨床的な基礎的データの収集を開始している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 違った進入路により全人工股関節置換術の手術成績2006

    • 著者名/発表者名
      舌間寛士, 内藤正俊 他
    • 雑誌名

      第36回日本人工関節学会 (2月3日発表)

  • [雑誌論文] THA術語における歩行中の骨盤の動きと股関節外転筋力および人工股関節設置位置との関連2006

    • 著者名/発表者名
      浅山勲, 内藤正俊
    • 雑誌名

      第36回日本人工関節学会 (2月3日発表)

  • [雑誌論文] 小切開人工股関節置換術と小切開寛骨臼回転骨切り術における手術侵襲についての検討2005

    • 著者名/発表者名
      舌間崇士, 内藤正俊 他
    • 雑誌名

      Hip Joint 31

      ページ: 303-305

  • [雑誌論文] 全人工股関節置換術術後におけるX線写真上の人工股関節位置と外転筋機能の関連-トレンデレンブルグ徴候陰性群と陽性群の比較-2005

    • 著者名/発表者名
      浅山勲, 内藤正俊
    • 雑誌名

      Hip Joint 31

      ページ: 509-511

  • [雑誌論文] 全人工股関節置換術術語反復性脱臼例の検討2005

    • 著者名/発表者名
      熊野貴史, 内藤正俊 他
    • 雑誌名

      Hip Joint 31

      ページ: 580-581

  • [雑誌論文] Pelvic motion during total hip arthroplasty with translateral and poserolateral approaches2005

    • 著者名/発表者名
      M.Ezoe, M.Naito 他
    • 雑誌名

      Journal of Orhtopaedics Science 10(2)

      ページ: 167-172

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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