研究課題/領域番号 |
17591604
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研究機関 | 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター) |
研究代表者 |
川井 章 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 研究所, 研究員 (90252965)
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研究分担者 |
近藤 格 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), プロテオーム・バイオインフォマティクス・プロジェクト, プロジェクトリーダー (30284061)
市川 仁 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 腫瘍発現解析プロジェクト, プロジェクトリーダー (30201924)
長谷川 匡 札幌医科大学, 医学部病理診断学, 教授 (40281167)
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キーワード | 悪性骨軟部腫瘍 / 網羅的遺伝子発現解析 / 網羅的タンパク質発現解析 / 蛍光2次元電気泳動 / 骨肉腫 / GIST / 予後因子 / 抗がん剤感受性 |
研究概要 |
本研究は、骨肉腫、ユーイング肉腫、GISTなどの原発性骨軟部肉腫を対象として、その予後規定因子、治療感受性関連因子を、ゲノム・プロテオーム解析の手法を用いて明らかにすることを目的とする。本研究の特色は、実際の骨軟部肉腫臨床検体を用いて、その予後・治療感受性を規定している遺伝子およびタンパク質の発現情報を網羅的・統合的に明らかにしようとする点にある。 本年度は、骨肉腫およびGIST各々の凍結検体よりRNA・タンパク質を抽出し、Affymetrix U133 Gene Chipを用いた網羅的遺伝子発現解析および蛍光二次元電気泳動・質量分析を用いた網羅的タンパク質発現解析を行なった。 骨肉腫19例を用いたGene Chip解析の結果、Unsupervised analysisにて骨肉腫は臨床経過(悪性度)の異なる2群に大きく分類され、Supervised analysisで化学療法奏効例に特徴的に発現している53遺伝子が抽出された。 GIST17例を用いた網羅的タンパク質発現解析の結果、手術後1年以内早期再発群と2年以上無病生存群の間で、発現量の大きく異なるタンパク質を見出した。このタンパク質をコードするRNAはGene Chip解析でも同様の発現変化を示した(R=0.917)。追加症例(12例)を用いた解析においてもこのタンパク質の発現量はGISTの手術後臨床経過と極めて良い相関を示した。現在、本タンパク質に対する特異抗体を用いた免疫染色、Western blottingを施行中である。GIST手術時、本タンパク質発現量の多寡によって以後の臨床経過を予測可能となることは、Glivecの予防的投与などより個々の患者に適したオーダーメイド医療の実践に直結することが期待される。
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