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2005 年度 実績報告書

麻酔・手術後の睡眠障害の研究、機構の解明と治療への試み

研究課題

研究課題/領域番号 17591608
研究種目

基盤研究(C)

研究機関弘前大学

研究代表者

櫛方 哲也  弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (80250603)

研究分担者 廣田 和美  弘前大学, 医学部, 教授 (20238413)
工藤 美穂子  弘前大学, 医学部, 助手 (30003411)
吉田 仁  弘前大学, 医学部, 助手 (00374843)
キーワード全身麻酔薬 / 睡眠 / 脳波 / ラット / サイトカイン
研究概要

SD系ラットを対象に全身麻酔後の睡眠障害について研究した結果、麻酔後に睡眠が変化する事が判明した。ケタミン麻酔当日はノンレム睡眠増加、以後対照値より一過性に減少(3,4日目が最低)した。レム睡眠は逆に対照値より徐々に増加(3,4日目が最高)した。一方、ペントバルビタールはケタミン同様、当日にノンレム睡眠が増加するが、その後は単純に対照値に戻り、レム睡眠はケタミンと同様に対照値より徐々に増加(3,4日目が最高)する傾向があった。我々はこれらの機序の一因として麻酔後の内因性睡眠物質の産生量が両者で異なったと推察した。確立された内因性睡眠物質にはニューロンの発火頻度が高いものほど産生量も多くなるものが存在するからである(IL-1、TNF等)。ケタミンは脳波を活性化し、ペントバルビタールは脳波を抑制する為、麻酔薬投与後に内因性睡眠物質の産生量が異なるであろう。この事が以後の睡眠(主にノンレム睡眠)量を変化させた可能性について現在検討中である。また、心筋梗塞など周術期の重篤な合併症はレム睡眠中に発症することが多いとされているが、今回検討した2種の麻酔薬とも麻酔後にレム睡眠を増加していることは注目に値する。この結果と周術期合併症との関連についても現在検討中である。
一方、各種の睡眠物質が麻酔時間に影響するか否かも検討した。以前我々は強力な内因性覚醒物質であり、ナルコレプシーの原因と関連深いオレキシンが各種バルビタールの麻酔時間を短縮することを報告した。今回はオレキシンがケタミンの麻酔時間に与える影響を検討した。その結果、オレキシンを前述のバルビタールにおける報告と同様に投与したラットでは、ケタミンによる睡眠時間が短縮した。この結果は生理的睡眠関連物質が麻酔による睡眠にも関与し得ることを示唆しており、全身麻酔後の睡眠障害の研究に有用な情報を提供している。詳細については現在検討中である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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