研究課題/領域番号 |
17591609
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
合谷木 徹 秋田大学, 医学部, 講師 (30302277)
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研究分担者 |
西川 俊昭 秋田大学, 医学部, 教授 (50156048)
木村 哲 秋田大学, 医学部, 助教 (00312702)
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キーワード | β-ブロッカー / 脳虚血 / エスモロール / ランジオロール / 脳保護効果 |
研究概要 |
背景:短時間作用型のβアドレナリン受容体遮断薬(βブロッカー)の脳保護作用を実験的に検討することによって、その機序を解明し、今後の急性脳虚血障害の予防薬の一つの手がかりになることが期待できる。 目的:ラット局所脳虚血モデルを用い、以前より10倍量の短時間作用性β遮断薬であるエスモロールおよびランジオロールの投与による脳保護効果を検討した。 対象と方法:ハロタン麻酔・自発呼吸下、雄SDラット(260-305g)を用いた。薬物により5群(生食群:生食1ml/時、エスモロール群:200μg/kg/分、エスモロール10倍群:2000μg/kg/分、ランジオロール群:50μg/kg/分、ランジオロール10倍群:500μg/kg/分、各群n=6)に分けた。各薬物投与開始30分後に、中大脳動脈閉塞モデルにて脳虚血を作製し、2時間の虚血後に再灌流を行った。薬物は経静脈的に投与開始し24時間持続投与した。虚血1日後、4日後、7日後に神経学的欠損スコアを評価し、7日後に、脳をTTC(2.3.5-triphenyltetrazolium chloride)で染色し、脳梗塞の体積を算出した。数値は平均±標準偏差で示した。統計処理は分散分析にて行い、P値0.05未満を有意差ありとした。 結果:神経学的欠損スコアは、生食群では、虚血後1日目にのみ、他の群に比較して高値であったが、4,7日後では差がなかった。薬物投与量による差は見られなかった。大脳皮質、線状体の梗塞巣は、生食群に比べ、エスモロール群、ランジオロール群で有意に減少したが、10倍群での各薬物間においては梗塞巣の差はなかった。 結論:ラット局所脳虚血モデルにおいて、短時間作用性β遮断薬の脳虚血保護効果はその投与量を増量しても保護効果に差が見られなかった。
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