研究概要 |
神経成長円錐及び再生軸索の細胞骨格と情報伝達機構に関する細胞生物学的研究では,細胞の成長過程,細胞間認識をタイムラプス顕微鏡下に観察する研究をテトラカインを使用して完了した。胎生8日目chick DRGを採取し,BPE添加F12培地で20時間培養,比較的低濃度の居所麻酔薬による濃度依存性の神経突起伸長阻害,暴露時間依存性の神経突起成長速度を定量的に解析し,更に,bFGFをゼラチンハイドロゲルで徐放化したものを添加し,神経突起や成長円錐の構造や運動生が維持されるかの検討も加えた。そして,成長円錐部の崩壊の程度の変化と,成長速度が回復することを証明し,論文として報告を予定している。 一方,胎生10日目chick sympatheticchainを採取し,局所麻酔リドカインおよびテトラカインが濃度依存性に神経突起および成長円錐部の形態を変化させること確認した。その後,局所麻酔薬をwash outした場合の回復,栄養因子存在下、非存在下の回復を検討し,こちらも論文として報告を予定している。放射線照射の再生神経突起への影響を観察し、その効果の定量化もおこなったところ、神経突起部への影響が強いことが証明された。 「徐放化栄養因子並びに幹細胞の神経再生に及ぼす影響に関する研究」では,神経傷害後の回復に及ぼす各種栄養因子,幹細胞の影響を臨床的に検討する前段階として,既に臨床試験の承認が得られている,末梢血管新生効果を検討する臨床的に検討する臨床研究で,ゼラチンハイドロゲルにより徐放化したbFGFのヒト体内注入後の徐放効率を検討している。同因子などを放出すると考えられる骨髄単核球移植の血管再生に及ぼす影響と高気圧酸素治療との併用可能性も検討し,報告した。一方,神経傷害性疼痛の発症メカニズムの薬理学的解析として,ノルアドレナリンとセロトニンの関与についても行動学的に検討し,論文発表した。
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