研究概要 |
平成17年度の結果を基に、年齢によって麻酔前投薬と麻酔前保温の効果がどのように異なるかを臨床的に検討した。更に麻酔前投薬、麻酔前保温を行った場合に全身麻酔導入後の中枢温低下にによってどのように差異が認めるかを検討した。 <対象>予定手術患者(全身麻酔下)(ASA分類I〜II)計30名を対象とした。 Group 1:若年者(20〜55歳)(n=15)、Group2:高齢者(60〜80歳)(n=15) <プロトコール>麻酔導入30分前に2グループ共にミダゾラム投与(0.05mg/kg(筋注))し、同時に30分間の麻酔前保温をおこなう(温風式加温装置(Bair-Hugger,現有設備)使用)。これは平成17年度の研究での予測される結果に基づいての研究であり、実際の臨床の場面では患者の同意を得て、 麻酔前投薬および全身麻酔導入前の麻酔前保温を行った。 麻酔導入:プロポフォール(2mg/kg)、ベクロニウム(0.12mg/kg)で行った。 麻酔維持:酸素-亜酸化窒素-セボフルラン(1.5-2.5%)(いわゆるGOS)で行う。 測定項目(麻酔前投薬時、麻酔前保温開始直前から10分ごと手術終了時まで) 体温:体温測定装置(Mon-a-therm 6510,マリンクロット社製:現有設備) 体温測定プローブ:消耗品購入、中枢温:鼓膜温(右、左) 末梢温:皮膚温(7ヶ所)胸部、上腕、前腕、示指、大腿、下腿、栂指 循環パラメータ:血圧(SBP, DBP)、心拍数 パルスオキシメータ、室温:22〜23℃前後に保った。 <結果>高齢者の方が若年者よりも麻酔導入時の"再分布性低体温"による体温低下が著しいことが示唆された。高齢者において積極的な麻酔前保温がより重要である。
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