研究課題:呼吸と疼痛との連関における侵害刺激受容イオンチャネルおよび遅延性起動遺伝子の関与に関連する研究実績としては、7編にわたる英文、和文での論文の掲載、そして国際学会等での講演、演題発表が挙げられよう。Anesthesia&Analgesial篇、Canadian Journal of Anesthesial篇、Journal of Anesthesia2篇の計4篇は査読のある雑誌における掲載である。とはいえ、今なお、学会発表に留まり、論文にまで至らぬ研究成果の甚だ多きことを悔やむ限りである。しかしながら、これも今後、いずらかの科学雑誌に掲載されるべく、準備を継続中である。こうした論文としては未掲載の研究成果の中で最も注目すべきは、サンフランシスコで開催されたアメリカ麻酔学会で発表した演題Pedaling exercise-induced analgesia is achieved via serotonergic descending inhibitory pathwayである。これはまさに本研究課題に直結する研究成果である。呼吸の変化と表裏一体のリズム運動(自転車漕ぎ)が疼痛を軽減することを主観的かつ客観的な評価において実証し、この現象が血中・尿中のセロトニン濃度の減少を伴うことから、セロトニン下行性抑制系の賦活化が示唆された。この他、ラットでの動物実験における侵害刺激中の行動様式に関する研究成果もまた本研究課題に関連する。
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