In vivo実験:ウサギをもちいて気管切開下に人工換気管理とする。Ventilatory induced lung injury(VILI)mode1は15ml/kgを目標として大容量換気行い作成する。コントロール群では8ml/kgで換気を行う。高圧大容量換気を行うことにより、2時間程度で酸素化、呼吸機能が悪化し始める。それに伴い血中サイカイン(インターロイキン6)が上昇する事をELISAで確認した。傷害群では肺組織の観察にて肺胞腔への浸出液の貯留および好中球の浸潤が観察され、肺胞壁の肥厚が観察された。傷害の確率後にフルオロカーボンを気管内に投与する事により酸素化および呼吸機能の悪化は抑制される傾向にあった。しかし、サイトカインの産生は抑制されない。肺組織では傷害の程度が軽減されていた。 In vitro実験:ラットより分離した肺胞II型上皮細胞とA549(ヒト肺胞上皮由来株細胞)を用いて研究を行った。細胞を伸展可能な膜上に培養した。細胞の増殖は通常の培養容器と同様であったが、初代培養細胞ではマトリックスを用いずに培養したためにII型細胞に分化誘導するKeratinocyto Growth Factorを用いてもやや細胞の平坦化がみられ、細胞がI型細胞の性質を併せ持つようになっていると考えられる。伸展刺激を2時間与えることにより細胞形態の変化は見られなかった。ラットの初代培養およびA549培養上清中のケモカインの濃度は上昇していないが、IL-6およびMCP-1のmRNAをreal-time PCRにて半定量すると、A549細胞では2時間の伸展刺激により両者の発現が上昇していた。フルオロカーボンを細胞培養液に20%で加えて伸展刺激をあたえると増加抑制作用が見られた。
|