研究課題
基盤研究(C)
最終的にWalkerらの方法による乳腺腫瘍細胞を培養し、ラットの骨腫瘍モデル作成し、骨腫瘍における疼痛機序の解明と遺伝子治療を応用した治療法を目指すために、本研究を立ち上げた。初年度は細胞の培養技術の修得ならびに遺伝子治療の基礎となる疼痛関連遺伝子の検索、測定を可能にする技術の確立に努めた。しかし、腫瘍細胞の培養技術の問題でラットの骨腫瘍作成が不可能であることがわかり、方向転換を図った。腫瘍などの炎症で出現するASIC3(acid-sensing ion channel3)に注目し、その発生機序を解明し、さらに遺伝子療法を応用して疼痛を抑制する治療法の確立を目指した。モデルとして骨腫瘍に変え、L5脊髄神経部分結紮(L5SSNL)モデルを使用し、ASIC3の発現を免疫組織化学的に調べた。また、慢性疼痛時に増加すると言われているBDNF(brain-derived neurotrophic factor)との関係を二重染色法により調べた。結果としてL4DRGでは、L5SSNL群においてはipsilateral DRGにおいてASIC3-irニューロンが増加していた。またASIC3とBDNFをともに発現しているニューロンも増加していた。L5DRGでは、ipsilateralDRGにおいて小型のASIC3-irニューロンが増加し、大型のASIC3-irニューロンが減少していた。また、BDNF-irニューロンはipsilateral DRGでほぼ消失していた。慢性疼痛時(L5SSNLモデル)における機械的刺激に対する疼痛閾値の低下には、このASIC3発現の変化が関与している可能性が示唆された。
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