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2005 年度 実績報告書

脊髄保護におけるインスリンの新たな役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591633
研究機関山口大学

研究代表者

松本 美志也  山口大学, 医学部, 助教授 (60243664)

研究分担者 福田 志朗  山口大学, 医学部附属病院, 助手 (70322245)
飯田 靖彦  山口大学, 医学部附属病院, 助手 (90304485)
山下 敦生  山口大学, 医学部, 助手 (50379971)
坂部 武史  山口大学, 医学部, 教授 (40035225)
キーワードspinal cord ischemia / rabbit / insulin / paraplegia
研究概要

平成17年度は、家兎一過性脊髄虚血モデルにおいて、インスリン投与のタイミングと血糖値がインスリンの脊髄保護作用にどのような影響を及ぼすかについて検討した。
【方法】イソフルランによる全身麻酔下に、経後腹膜的に左腎動脈直下の腹部大動脈を13分間遮断する一過性脊髄虚血モデルを用い、以下の4群(n=8)に分けて検討した:pre-I群(インスリン0,5IU/kgを虚血30分前に静注)、post-I群(インスリン0.5IU/kgを再灌流直後に静注)、GI群(インスリン0.5IU/kgを虚血30分前に静注+インスリンによる血糖の低下を防ぐために、インスリン投与とともにグルコースを1時間持続静注)、C群(生理食塩水を虚血30分前に投与)。虚血再灌流後7日間、後肢運動機能(4:正常、3:跳躍できるが正常ではない、2:後肢はよく動くが跳躍できない、1:後肢がわずかに動く、0:後肢の完全麻痺)を評価し、その後、脊髄を灌流固定し、腰部脊髄膨大部の腹側灰白質の正常神経細胞数を計測した。
【結果】虚血前の血糖値はpre-I群、post-I群、GI群、C群で、118±17、158±16、180±30、159±21mg/dLであった。その後、再灌流6時間まではGI群とC群では120〜150mg/dLで、pre-I群とpost-I群では90〜120mg/dLで推移した。再灌流7日後の後肢運動機能スコア(平均値±標準偏差)は、pre-I群、post-I群、GI群、C群で、3.8±0.7、1.6±1.6、1.6±1.5、1.3±1.2とpre-I群が有意に良好であった。正常神経細胞数もpre-I群、post-I群、GI群、C群で、60±14、29±26、24±31、18±18とやはりpre-I群が有意に良好であった。
【考察とまとめ】インスリンによる脊髄保護効果は、虚血前投与のみに認められ、しかも、グルコースの投与により容易に保護効果が消失することが判明した。インスリンは抗酸化作用や抗炎症作用などの直接作用により神経細胞を保護する可能性が指摘されているが、その直接作用はあまり強くないか血糖値に大きく影響されると考えられる。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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