研究課題/領域番号 |
17591648
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小田 裕 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70214145)
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研究分担者 |
濱岡 直也 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80347492)
浅田 章 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00047367)
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キーワード | 局所麻酔薬 / 脳 / 薬物動態 / 脳波 / マイクロダイアリシス |
研究概要 |
本年度はマイクロダイアリシス法による脳内薬物濃度の定量方法を確立することができた。これらにより脳内の薬物濃度の定量が正確に行えることが明らかになり、局所麻酔薬の中枢神経毒性の発現機構の一部を明らかにすることができた。 次に示す方法で実験モデルを作成した。先ずSprague-Dawley系雄ラットの脳に実験2-3日前にセボフルランによる全身麻酔下でマイクロダイアリシス用ガイドカニューレを留置した。ガイドニューレは、ラットを定位脳固定装置に固定した後に、先端が側座核(nuclens accumbens)に位置するように留置した。実験当日、頸動静脈および大腿静脈にカテーテルを挿入、麻酔からの覚醒、復温を確認した後に37℃の環境で実験を行った。ラットの脳をマイクロシリンジポンプを用いて脳脊髄液で灌流(1μg/min)し、血圧、心拍数が安定していることを確認後、リドカインを3mg/kg/minで10分間投与し、痙攣の発生の有無を調べた。リドカイン投与中及び投与終了後に経時的に採血を行い、血中濃度を測定した。内部標準として生理活性を持たない3-水酸化ブピバカインを灌流液に加え、その灌流液からの消失率を脳組織からの回収率として灌流液中のリドカインの濃度を測定することにより(レトロダイアリシス法)、側座核でのリドカインの濃度を正確に求めることができた。その結果、血中の蛋白非結合分画の濃度にほぼ等しいことが判明した。またエピネフリンにより、血中の蛋白非結合分画のリドカインが増加し、より低濃度で痙攣が生ずることが明らかになった。
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