研究課題/領域番号 |
17591651
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
飯島 毅彦 杏林大学, 医学部, 助教授 (10193129)
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研究分担者 |
三島 竜弥 杏林大学, 医学部, 助手 (40317095)
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キーワード | ミトコンドリア / 神経細胞死 / 脳虚血 / 膜電位 / 細胞内カルシウム / fluo-3 / Rhod-2 / uniporter |
研究概要 |
これまで当研究室では、短時間(30分)の無酸素無糖培養(OGD)後にはミトコンドリア膜電位が過分極し、長時間では膜電位は脱分極することを示してきた。さらにこの膜電位とapoptosisおよびnecrosisの死の形態に関連があることが示されてきた。ミトコンドリアの細胞内Ca^<++>濃度上昇抑制作用は膜電位に依存する可能性があるため、このモデルを用いて、OGD後のミトコンドリアの細胞内Ca^<++>緩衝作用を検討した。実験モデルは、30分120分のOGDを負荷した培養細胞を用い、グルタミン酸を負荷することにより細胞内Ca^<++>濃度を上昇させ、その際のミトコンドリア内Ca^<++>濃度を同時にモニターした。その結果、30分OGDの細胞では、細胞内Ca^<++>濃度は、ピークに達した後速やかに減少した。同時に測定したミトコンドリアCa^<++>濃度は上昇を続けた。OGDを与えていない細胞と比較してミトコンドリアCa^<++>緩衝作用が強いことが示された。一方、120分OGDでは、グルタミン酸負荷による細胞内Ca^<++>濃度上昇も少なく、ミトコンドリアCa^<++>濃度上昇も少なかった。同時に評価したミトコンドリア膜電位は30分OGDでは他の群と比較して高く(過分極)、120分OGDでは低かった。このことより、30分OGDでのミトコンドリア膜電位の過分極は細胞内Ca^<++>濃度上昇を緩衝する作用をもたらしており、短時間虚血後に見られる虚血耐性(ischemic preconditioning)との関係が示唆された。
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