研究課題/領域番号 |
17591653
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
後藤 幸生 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 客員教授 (40079984)
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研究分担者 |
小松 徹 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80109777)
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キーワード | 生体生命情報学 / 自律神経 / 心拍変動 / 1 / fゆらぎ / 意識障害 / 医療・福祉 / リズムとバランス / リハビリテーション |
研究概要 |
今回の研究では、特に喜怒哀楽などの感情変化が心臓リズムに影響することに注目して来た。これは近年進歩した脳画像など大掛かりな機器を用いなくても、或る種の脳機能や情動反応などが心拍リズム解析法に工夫を凝らせば数値化できる可能性を意味している。そこで脳の認知を心拍リズム変動として伝達する自律神経に注目し、その新しい解析法を模索してきた結果、やすらぎ波動の1/fゆらぎ理論の考え方を応用した心拍変動の1/fゆらぎ応用解析法を考案するに至った。研究最終年度ではその計測対象領域を拡大し、この心拍リズムを1/1000秒の精度で採取するソフトMemCalc Systemを用い、新たにバランス指数という指標を算出した。これでもって認知情動反応'こころ'の変動を見出せる可能性を発表した。そのため先ずは健常人ボランティアに対する対照データの採取、急性・慢性意識障害患者等に対する音楽聴覚刺激や足裏知覚帯刺激チャレンジ法など、刺激に対する反応の強弱から残存するバイタリティの程度、意識・情動反応のレベルを、さらには難治疼痛患者に対する音樂の癒し効果も検討し、科学的判定評価法のデータ蓄積をはかった。具体的には、データ上ICUで死亡直前の患者の脳の状態(臨死体験現象など)が一種の情動反応を呈しているのではという推測値が得られ、アクテイブトレーサ(AC301A)で連続24時間以上測定して得た正常人のレム睡眠時の夢に現れる情動現象と対比する研究、そして全身麻酔中の無意識状態における心拍リズム変動解析結果など、数値上この新たに提案した4種類の情動反応パラメータ(バランス指数Balance index)の意義を各種学術集会において発表してきた。
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