1、In vitroでのGFP発現の確認 GFPを持続的に発現する膀胱癌、前立腺癌細胞株を作製するために、GFP発現レンチウイルスベクターを感染させ、KU-7-GFP、PC-3-GFPを樹立し、その発現を確認した。 2、In vivoモデルにおけるGFP発現 (1)膀胱癌、前立腺癌細胞株皮下移植モデルにおけるGFP発現:ヌードマウス皮下にKU-7、PC-3またはKU-7-GFP、PC-3-GFPを注入し、Macro-imaging systemにてGFP発現を確認した。KU-7-GFP、PC-3-GFPを移植したマウスでは全例で、1-2週間の時点からGFPの発現が観察可能であった。 (2)ヌードマウス膀胱同所移植モデルでのGFP発現の観察:KU-7またはKU-7-GFPを5x106個膀胱内に注入し、GFP発現を確認した。8週目まで観察したが、6例全例で膀胱付近でのGFP発現は観察できなかった。しかし、腫瘍塊として移植したところ、GFPは観察可能であった。 (3)ヌードマウスにおける前立腺癌骨転移モデルでのGFP発現の観察:PC-3-GFPを直接ヌードマウス脛骨に移植すると、GFP発現の検出が可能であった。 (4)長期にわたる継代後の皮下移植モデルでのGFP発現の確認:In vitroでKU-7-GFPを40継代したのちにヌードマウス皮下に移植し、GFPの発現を観察したところ、1週目よりGFPは発現が確認された。 以上の点より、In vivoモデルでのGFP発現は観察可能であり、同所モデル、転移モデルとして有用であることが示された。しかし、GFP発現の検出感度が高くないため、自己増殖性レトロウイルスベクターの検出は不可能で、まず機器の改善が必要であると考えられた。
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