研究概要 |
(1)アンドロゲン依存性LNCaP細胞からアンドロゲン非依存性株LN-REC4とLNCaP-SFを樹立した。 (2)castrationしたscid mouseの皮下に移植しても増殖が促進される理由のひとつに細胞からのVEGFの発現亢進による血管新生亢進が考えられた。 (3)DHTの有無で発現の変化する遺伝子をcDNA micro arrayを用いてそれぞれの細胞において同定した。LNCaP細胞とLNCAP-SF細胞で共にDHTにより発現が亢進する遺伝子・低下する遺伝子、LNCaP-SF細胞で発現が亢進するが、LNCaPで発現が変わらないか、逆に低下する遺伝子、LNCaP-SFで発現が低下し、LNCaPで発現が逆に亢進する遺伝子などが判明した。 (4)cDNA arrayの際に用いたRNAを使って再びRT-PCRにて発現の違いを確認し、artifactなのか本当にDHTで発現の変化した遺伝子なのか明らかにすることができ、さらにもう一度LNCaPとLNCaP-SFでDHTによる刺激を行い、RNA抽出、RT-PCRを行って再現性があるかどうかを確認した。 (5)cDNA microarrayでスクリーニングした遺伝子16,785genesのうちLNCaPで2倍以上発現の亢進している遺伝子は374genes,LNCaP-SFでは581genes。両細胞で発現の亢進している遺伝子は184genes認められた。また、LNCaPで2倍以上発現の減弱している遺伝子は623genes,LNCaP-SFでは388genesあった。このうち両細胞で発現の減弱している遺伝子は105genes認められた。また、LNCaPで発現が亢進し、LNCaP-SFで発現が減弱した遺伝子は22genesあり、その逆は1geneのみであった。
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