研究概要 |
プロテオームの差異から解析した精子形成回復関連タンパクの同定 15週齢のマウスを、コントロールと抗癌剤(ブスルファン)を投与した群を作成するが、ブスルファンや他の抗癌剤などを含め、各施設においてわれわれと異なるアプローチで遺伝子発現マイクロアレイなどの差異が報告されている。特に、抗癌剤の種類による、タンパク発現についての情報は、現在われわれが行っている実験と競合する可能性があるので、注意深くみていく必要がある。これらの、情報を参考にし、精子形成に関与する遺伝子や、抗ガン剤によって選択的に破壊される遺伝子情報を収集している。 また、抗癌剤投与マウスのタンパクを全く正常な精巣と抗癌剤処理により精子形成細胞がほとんど消失した精巣を破砕し、そのホモジネートを精製した。コントロール群との比較し、その差分から新規遺伝子を同定を試みている。可溶化タンパクから電気泳動を行う。電気泳動条件を様々検討し、特にゲルの性状とペーハー条件より、各タンパクの特徴がうしなわれないように調整した。とくに、再現性を重視し、同一タンパクに対して数回の2次元泳動を行った。現在、電気泳動に対して、pHレンジが狭く、strip長が大きいほど分解能が高まるように検討中である。バックグランドの低く、分解の良い電気泳動を得るために条件を設定している。 一次元目および二次元目の電気泳動が終了した後、一般的な染色(Ag,CBB)による検出を行っているが、現在のところ有意な差を認めない。ゲルをスキャナーで取り込み、コンピューター上に、泳動プロファイルパターンに関して、サンプル間の比較を行う予定でいるが、さらに鮮明な差のでる条件を設定する必要がある。
|