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2006 年度 実績報告書

精細管内微小環境モジュレーションによる抗癌化学療法後精子形成回復救済療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17591670
研究機関金沢大学

研究代表者

高 栄哲  金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (90283134)

研究分担者 並木 幹夫  金沢大学, 医学系研究科, 教授 (70155985)
キーワード精子形成 / 減数分裂 / DMC1 / 選択的スプライシング / DNA / 相同染色体
研究概要

精子形成回復関連タンパクの同定
精子形成に関与する遺伝子や、抗ガン剤によって選択的に破壊される遺伝子情報を収集した結果、減数分裂に関与する遺伝子が候補遺伝子のひとつであることが明らかになった。減数分裂で最も重要な過程は相同染色体の正確な分配である。相同組み換えは、組み換えホットスポットと呼ばれる相同組み換えが起きやすい部位での一過的なDNA二本鎖切断(double strand breaks : DSB)によって開始されるとされる。DNA間の相同性の検索とその交叉反応において、中心的な役割を果たしているのが真核生物ではRad51やRad52,Rad54,Rad55,Rad57,DMC1,Rpa1などのタンパク質群である。これらの遺伝子をノックアウトしたマウスでは、RAD51がDMC1の機能を相補できないことが報告され、DMC1(GenBank、NM_007068)の産物タンパクが相同染色体間の相同性のみを認識し対合させると考えられ、とくに減数分裂時に特異的な機能を持つ。本研究で明らかになったことは、DMC1の遺伝子産物についての検討である。われわれはDMC1が抗がん剤の治療を受けた不妊症患者で3つの選択的スプライシング転写物のうち一部が欠失することを明らかにし、これらの転写物が、精細胞系の制御を行っている可能性を示した。各選択的スプライシング産物であるイソフォームタンパクのモチーフやドメインが修飾された結果、精細胞のアポトーシスを誘導する可能性も考えられた。本遺伝子のスプライシングバリアントが減数分裂の制御に関与し、その結果精子形成能に影響を与えることを明らかにした。総括すると、精子形成不全のひとつの可能性として、DNA間の相補性を認識するという機構、すなわち相同染色体を認識の破綻により、減数分裂不全が生じ、精子形成不全が惹起されている。DMC1はこれらの機構を説明できる、ひとつの有力な候補遺伝子であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Alu sequence variants of the BPY2 gene in proven fertile and infertile men with Sertoli cell-only phenotype2007

    • 著者名/発表者名
      Jin Choi, Eitetsu Koh, Yuji Maeda, Atsumi Yoshida, Mikio Namiki
    • 雑誌名

      Int J urol (In press)

  • [雑誌論文] ゴナドトロピンの生理作用2006

    • 著者名/発表者名
      高 栄哲, 崔 眞, 並木幹夫
    • 雑誌名

      日本臨床 (増刊号) 64・4

      ページ: 184-188

  • [図書] 図説 ARTマニュアル 第2版2006

    • 著者名/発表者名
      高 栄哲, 並木幹夫
    • 総ページ数
      538
    • 出版者
      永井書店 大阪

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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