研究課題/領域番号 |
17591697
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
田中 基幹 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (30347562)
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研究分担者 |
田中 雅博 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (00382292)
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00133207)
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
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キーワード | 前立腺癌 / 分子マーカー / PTEN癌抑制遺伝子 / 遺伝子治療 / 放射線療法 / ペプチド療法 |
研究概要 |
ヒト前立腺癌においてAktシグナル伝達を介するPTENの重要性の基礎的結果を臨床にフィードバックするため、PTENアデノウイルスベクターを中心にして遺伝子治療の臨床応用性を検討してきた。しかし、昨今のウイルスベクターを用いることの可否をめぐり、我々はnon-viral vectorであるカチオン化ゼラチンマイクロスェアーとの電荷的結合によるPTENプラスミドDNA徐放化製剤GelaTenを調製し、製薬化遺伝子GelaTenを新たな遺伝子治療の手段としての有効性を示してきた。 今回の検討では、分子腫瘍マーカー検索の一環としてヒト前立腺癌組織におけるPTENおよびリン酸化Aktの発現を検討し、予後因子としてPTEN発現低下・リン酸化Akt過剰発現が前立腺癌の悪性度および進達度に相関傾向を認め、前立腺癌の新たな分子腫瘍マーカーの可能性を認めた。また、これらの関連下流分子であるBcl-2やVEGFなどについても同様の傾向が見られ、PTENをはじめとしたAktシグナル伝達は前立腺癌のPSAに継ぐマーカーとなり得ることが示唆された。今後検討を重ね、前立腺癌の治療や予後との関連も検討していく予定である。 現在、遺伝子薬として当初の計画に盛り込んだPTEN遺伝子発現Sleeping Beauty transposon plasmid vectorの構築、およびpoly-Argモチーフを基礎としたPTEN機能ペプチドと膜透過型ペプチドの合成は完了しているが、in vitroにおける検証の確認段階である。in vitroデータを十分に蓄積し、in vivo実験を行う予定である。
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