研究課題
基盤研究(C)
1.HPVL1抗体と子宮頚部前癌病変の自然消退との関連子宮頸部前癌病変(CIN; Cervical Intraepithelial Neoplasia)発症に関与するヒトパピローマウイルス(HPV)に対する液性免疫応答がCIN病変の自然消退を予知するマーカーとなりうるかを調べるため、コホートスタディから得られたCIN患者116例の血清を使ってHPV16/52/58/6型の4種類のL1キャプシドに対する血清抗体測定を行った。子宮頸部病変から検出されるHPV型に対する抗体も異なる型に対する抗体もいずれもCINの自然消退と関連しなかった。これらの結果から、子宮頸部病変から検出されるHPVに対する液性免疫応答はCINの自然消退の予知マーカーとはならないこと、過去の別の型のHPV感染から得られる獲得免疫はHPV現感染のクリアには役に立たないことが示唆された。以上の成果はCancer Letters 2006;231;309-316に発表した。2.IL-10プロモーターの変異と子宮頸部発癌との関連代表的なType 2サイトカインであるIL-10のプロモーター変異は592,819,1082番目の塩基配列でのみ生じ、変異のパターンによってプロモーター活性が異なることが知られている。ARMS-PCR法によってIL-10プロモーターの変異を検出した。倫理審査委員会へ研究申請の承諾の下、429例(細胞診正常160例、前癌病変186例、子宮頸癌83例)から子宮頸部擦過細胞サンプルを得た。高分泌型IL-10プロモーターは細胞診正常者の9.3%、前癌病変患者の18.8%ぐ子宮頸癌患者の32.5%に検出され、統計的に有意な違いが見られた(P for trend <0.001)。以上から、Type2の免疫応答が子宮頸癌の発癌ウイルスであるHPVの感染制御に不利に働くと考えられる。
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