研究課題/領域番号 |
17591727
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柴田 清住 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90335026)
|
研究分担者 |
吉川 史隆 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40224985)
梶山 広明 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00345886)
|
キーワード | P-LAP / IRAP / GLUT4 / インスリン / アポトーシス / 抗癌剤耐性 |
研究概要 |
子宮体癌の術後補助療法として化学療法が広く行われるが、その適応については一定でない。今回の研究で我々はペプチダーゼの中でもP-LAP/IRAPに着目して、その発現による子宮体癌化学療法の個別化と抗癌剤耐性作用のメカニズムについて検討した。旨これまでの研究においてP-LAP/IRAPは抗癌剤によるミトコンドリアを介するアポトーシスを抑制することにより耐性に関与することを示した。そこでさらに、P-LAP/IRAPによるアポトーシス抑制機序の解明を目指して研究を行った。P-LAP/IRAP遺伝子導入細胞株とmock導入株におけるGlucose transporter4(GLUT4)の発現を蛋白レベルで検討したところ、P-LAP/IRAP遺伝子導入細胞株で有意に発現が亢進していた。次に、インスリン刺激による細胞増殖能を検討したところ、P-LAP/IRAP遺伝子導入細胞株では有意に72時間後の増殖能が亢進しており、さらに、細胞内へのグルコースの取り込みを検討したところ同様に有意に取り込みの増加を認めた。インスリン刺激による細胞内シグナル伝達系の検討を行った結果、P-LAP/IRAP遺伝子導入細胞株はmock導入株に比べPI3KおよびAKTのリン酸化が亢進していた。以上の結果からP-LAP/IRAPはGLUT4の発現の亢進を介して細胞内へのグルコースの取り込み亢進に関与しており、さらに細胞増殖能亢進、抗アポトーシスに働くことが示された。この結果はP-LAP/IRAPによる抗癌剤耐性機序の解明につながるものと考えられた。
|