研究課題/領域番号 |
17591727
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柴田 清住 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90335026)
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研究分担者 |
吉川 史隆 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40224985)
梶山 広明 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00345886)
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キーワード | 婦人科癌 / 抗癌剤耐性 / P-LAP / IRAP / APN / CD13 / ベスタチン / siRNA |
研究概要 |
子宮体癌の術後補助療法として化学療法が広く行われるが、その適応については一定でない。今回の研究で我々はペプチダーゼの中でもP-LAP/IRAPに着目して、その発現による子宮体癌化学療法の個別化と抗癌剤耐性作用のメカニズムについて検討した。 これまでの研究においてP-LAP/IRAPは抗癌剤によるミトコンドリアを介するアポトーシスを抑制し抗癌剤耐性に関与することを示した。また、さらなる検討によってP-LAP/IRAP発現によってグルコースの取り込みが増加し、抗アポトーシスに働くことを証明した。さらに、我々はペプチダーゼの中でP-LAP/IRAPに相同性の高い、Aminopeptidase N (APN/CD13)に着目し、APN/CD13の発現と卵巣癌細胞のタキソール感受性との関連について検討したところ、APN/CD13発現とタキソールのIC50は相関を示し、APN/CD13がタキソール耐性に関与することが示唆された。そこで、APN/CD13阻害剤のベスタチン、APN/CD13に対するsiRNAとタキソールの併用によってin vitroにおける卵巣癌細胞株ES-2のタキソール感受性増強とアポトーシス促進が確認された。さらに、ヌードマウスを用いた、in vivoの検討においてベスタチン、APN/CD13に対するsiRNAをタキソールと併用し、腹腔内投与すると、卵巣癌細胞株ES-2の腹膜播腫抑制効果を見出した。 以上の結果からP-LAP/IRAP、 APN/CD13は婦人科癌化学療法における、抗癌剤耐性の分子標的治療のターゲットになり得ることが示唆された。
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