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2006 年度 実績報告書

C-srcトランスジェニックマウスを用いた子宮頚癌発生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17591746
研究機関独立行政法人国立病院機構(四国がんセンター臨床研究部)

研究代表者

松元 隆  独立行政法人国立病院機構(四国がんセンター臨床研究部), 医師 (20346670)

研究分担者 植田 規史  愛媛大学, 大学院医学研究科, 教授 (30030886)
伊藤 昌春  愛媛大学, 大学院医学研究科, 教授 (10136731)
キーワード子宮頸癌 / 動物モデル / トランスジェニックマウス / 腫瘍発生 / c-src
研究概要

子宮癌検診の普及および治療法の確立により進行子宮頸癌の頻度は減少し,粗死亡率はこの40年間で約1/3になった。また,頻度もこの40年間でII期40%→15%,III期30%→9%,IV期12%→3%と減少し,早期癌症例が著明に増加している。しかし,依然として子宮頸癌は婦人科悪性腫瘍の中でも最も頻度が高い疾患である。子宮頸癌の病因としてはHPV(human papilloma virus)の関与はすでに明らかとなっており,子宮頸癌の約90%にHPV感染が認められる。しかし,HPV感染者のほとんどが子宮頸癌を発生することはなく,またHPV16あるいはHPV16の転写産物であるE6/E7のトランスジェニックマウス(Tgマウス)においても子宮頸部病変は異形成にとどまり,浸潤癌は観察されない。そこで,HPV感染と同時に起こっているであろう発癌関連遺伝子の異常が近年重要と考えられている。また,現在のところ子宮頸癌において有用な動物モデルは存在せず,その開発が望まれている。われわれは種々の発癌関連遺伝子(c-src,c-erbB2,IGF-1,E2F1)のTgマウスを作成し,これらのマウスにおいて皮膚癌,胆嚢癌,前立腺癌などが発生することを明らかにした。
本研究において,平成17年度にはc-srcを過剰発現させたTgマウス(BK5.src^<wt> Tgマウス)における正確な子宮頸癌発生頻度を解析した。子宮頸部上皮肥厚を90%,子宮頸部上皮内腫癌を30%のBK5.src^<wt> Tgマウスに観察可能であった。残念ながら,明らかな間質浸潤をもつ病変は認められなかった。平成18年度現在,これらのBK5.src^<wt> Tgマウスにおいて認められた子宮頸部上皮内腫瘍が発生するメカニズムを病理組織学的および分子病理学的手法を用いて解析中である。現在,得られている有望なメカニズムとして,(1)c-src蛋白量の増加,(2)src kinase activityの増強,(3)MAP kinase activityは不変など,興味深いデータが得られている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 若年子宮体がんの子宮温存療法2007

    • 著者名/発表者名
      日浦昌道, 松元 隆, 他
    • 雑誌名

      産婦治療 94.3

      ページ: 273-279

  • [雑誌論文] 婦人科領域のがん治療,検診に関する展望について-(2)子宮がん検診の現状と問題点-2006

    • 著者名/発表者名
      大下孝史, 松元 隆, 他
    • 雑誌名

      愛媛産婦医報 42

      ページ: 9-16

  • [雑誌論文] 婦人科領域のがん治療,検診に関する展望について-(1)子宮体癌の手術療法-2006

    • 著者名/発表者名
      松元 隆, 他
    • 雑誌名

      愛媛産婦医報 42

      ページ: 17-20

  • [図書] よくわかる卵巣癌のすべて(安田 充 編) 疫学 : 罹患率と死亡率の推移 -国際比較,リスクファクターも含めて-2007

    • 著者名/発表者名
      松元 隆 他
    • 総ページ数
      506
    • 出版者
      永井書店

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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