研究課題/領域番号 |
17591753
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
福島 明宗 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20208937)
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研究分担者 |
中居 賢司 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (90146035)
堀米 仁志 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50241823)
室月 淳 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50239555)
小山 理恵 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20291619)
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キーワード | 磁性 / 生理学 / 発生・分化 / 胎児 |
研究概要 |
本年度は正常胎児期における自律神経活動の発達過程の解析を以下のごとく実施した。 目的:妊娠28〜40週の正常妊娠例(n=23)、妊娠32〜37週の子宮内胎児発育遅延(IUGR)例(n=15)における自律神経活動の発達の評価を行った。我々は胎児心磁図(fetal magnetocardiography ; F MCG)を用いてRR間隔変動の時間領域解析および周波数領域解析を行った。方法:F MCG測定は磁気シールドルーム内に設置された64-channel magnetocardiographyによって行われた。胎児の子宮内における位置は超音波断層装置によって確認した。結果:QRS間隔(m sec)は正常妊娠群において週数および児体重との間に正の相関(y=32.5+0.86x;r^2=0.40,y=48.2+0.007x;r^2=0.57)を示した。IUGR群もほぼ同様の傾向を示したが、一部に妊娠週数および児体重に比較して低値の症例を認めた。正常妊娠群のCoeffcient of variance(CV_<R-R>%)は妊娠32週未満では一定の傾向を認めなかったが妊娠32週以降では妊娠週数との間に正の相関(y=-6.43+0.34x;r^2=0.59)を認めた。またIUGR群の中には妊娠週数にかかわらず低値の症例を認めた。正常妊娠群のlow frequency band/high frequency band ratioは妊娠32週未満では一定の傾向を認めなかったが妊娠32週以降では妊娠週数との間に正の相関(y=-5.14+0.19x;r^2=0.61)を認めた。結論:FMCGを用いた胎児心拍変動の時間領域解析および周波数領域解析より胎児の自律神経活動は妊娠32週以降活性化していくことが明らかとなった。またIUGR症例の中には正常群と異なった自律神経活動を示す症例を認めた。
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