研究課題/領域番号 |
17591763
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
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研究分担者 |
後山 尚久 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20148430)
伊藤 裕子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40148432)
李 忠連 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80319532)
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キーワード | endometrium / estrogen receptor / promoter / transcription factor / Biacore / Gel Shift Assay / exponential / extrapolation |
研究概要 |
高い転写活性を持っているERαプロモーター領域の詳細な解析の為に、以下の実験を行った。先ず、長さ3500bpのプロモーターを用いてluciferaseレポーターベクター構築した。次に、これらのベクターはIshikawa細胞株とヒト子宮内膜腺細胞を用いて、Fugeneで一過性形質転換をした。48時間後、luciferase活性の測定・解析を行った。luciferase転写活性の高いDNA領域を見つけたが、統計学的に有意差はなかった。以上の結果から、子宮内膜腺上皮においてERαの転写を制御する領域は、解析した長さ3500bpのプロモーターより更なる上流に位置すると考えられる。 粗製核蛋白質に含まれる転写因子とDNAとの結合能を、Biacoreを用いて効率的に測定・解析する為に、以下の実験を行った。先ず、DNAの非特異的な結合能を決める為、あらゆる核蛋白質に結合しないDNA配列を突き止めて解析した。その結果、長さ12bp〜45bpの二本鎖DNA螺旋間の距離が周期的に狭く・広くなる特徴を明らかにした。これに対して、ERαやc-Junに特異的に結合配列を有するDNAは、二本鎖螺旋間の距離と角度が著しく異なることを突き止めた。これらの特徴に基づいて、転写因子に特異的に結合するDNAに合理的な変異を自動的に導入するソフトを作成した。次にBiacoreを用いて、異なる細胞株からの粗製核蛋白質の結合能を解析した。その結果、自動的に変異を導入したDNAは、精製核蛋白質にもっとも低い結合能を現したが、粗製核蛋白質にも野生型DNAより特異的な結合能が常に低かったことを明らかにした。以上の結果より、核蛋白質・DNA結合能の網羅的な解析法を確立した。
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