研究課題/領域番号 |
17591775
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
近松 一朗 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30301378)
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研究分担者 |
古屋 信彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80107606)
宮下 元明 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30400740)
坂倉 浩一 群馬大学, 医学部, 医員 (40400741)
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キーワード | p53 / CTL / helper T cell / 抗体 / 制御性T細胞 |
研究概要 |
癌抑制遺伝子p53は頭頸部癌において高頻度に変異を認める。変異によって集積したp53蛋白が頭頸部癌に対する癌ワクチンのターゲット分子となることが期待されている。これまでにCD8+T cellsのwild-type p53由来ペプチドに対する反応の検討により癌患者の免疫状態が抗p53 CD8+T cell反応に関与していることがわかってきた。 更に頭頸部扁平上皮癌患者の末梢血中の制御性T細胞の比率をフローサイトメトリーによって解析することにより制御性T細胞の比率が癌患者では上昇していること、制御性T細胞の比率とTc1及びTc2細胞のCD8+T cellの比率との間には負の相関があることを見出した。制御性T細胞を含むCD4+T cellのwild-type p53に対する反応とそれが抗体産生に及ぼす影響を調べるために、癌患者の末梢血をHLA-DP5拘束性のwild-type p53由来のペプチドで刺激し、その反応をIFN-gamma, IL-5のELISPOTによって確認した。更に患者血清中の抗p53抗体の存在をELISA法によって、腫瘍のp53発現を免疫染色にて確認している。 HLA-DP5拘束性の2つのペプチドに対して癌患者の一部はTh0、Th1あるいはTh2反応を示した。この反応は術後の非担癌状態の患者でも確認できた。このデータをもとに、現在Th1/Th2 balanceと抗体の存在の関係を解析中である。 同時に制御性T細胞の機能に関わる遺伝子であるFoxP3についても癌患者と健常人でその発現レベルをreal time QRT-PCR法によって解析し、抗p53 CD4+T cell反応との関係を検討している。
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