研究課題/領域番号 |
17591775
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 山梨大学 (2007) 群馬大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
近松 一朗 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (30301378)
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研究分担者 |
古屋 信彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80107606)
宮下 元明 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30400740)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | p53 / CTL / helper T cell / 抗体 / 制御性T細胞 |
研究概要 |
頭頸部癌においてp53は高率に変異を認め、それに伴うp53の過剰発現は抗p53抗体や抗p53T細胞応答をきたすことが言われおり、これは癌の診断・治療効果判定等において有用である可能性がある。今回の研究では頭頸部癌患者におけるp53分子に対する免疫応答を腫瘍における抗原(p53)の発現、細胞性免疫(T細胞応答)、液性免疫(抗体の存在)の3方面から解析した。更に癌患者の免疫抑制状態の関与や病期、担癌・非担癌などの臨床因子との関連についても検討し、以下の知見を得ることができた。 1.癌患者では末梢血中の樹状細胞の比率及び成熟度が低下しており、これは主にミエロイド系樹状細胞によるものであった。また樹状細胞の成熟度とTh1/Th2比は正の相関を認めた。一方、制御性T細胞(CD4+CD25+)とは逆相関を認めた。 2.癌患者では制御性T細胞の比率が上昇しており、この比率はeffector細胞であるCD8+T cellの比率と逆相関を示した。 3.Anti-p53 CTL responseが頭頸部癌患者23名中11名で同定できた。更に、早期癌の患者及び末梢血中のTc1/Tc2比が高い患者でこれらの免疫応答は誘導されやすかった。Multiple epitopeペプチドの使用により、より多くの癌患者においてanti-p53 CTL responseを誘導できた。 4.Anti-p53 helper responseが頭頸部癌患者19名中11名で同定できた。更に、非担癌となってもこれらの免疫応答が維持されていることや病期の進行に伴いTh1/Th2バランスがTh2優位へとシフトすることが示唆された。Anti-p53 helper responseと抗p53抗体の間に相関は認めなかったが、両反応ともp53の集積は重要な因子であった。 5.制御性T細胞のマーカーであるFOXP3遺伝子の発現は、担癌患者で有意に高かった。
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