1)EBV LMP1は細胞内FGF-2蛋白の局在を変える作用がある。 LMP1を発現させた上皮細胞ではFGF-2蛋白が増加し、核および核周辺に局在するだけでなく、細胞質、特に細胞末端部に多く発現を認める様になった。さらに興味深い事に、LMP1とFGF-2蛋白が、点状に共局在する事が判明した。PMAで刺激しただけではFGF-2は細胞質内で均一に増加するのみで、点状に分布する事は無かった。 2)FGF-2蛋白とLMP1はエンドソーム構造で共局在する。 Ad-AH細胞にFLAG標識-FGF-2蛋白を、LMP1陽性あるいは陰性細胞で強制発現させると、FLAG標識-FGF-2のみを発現させた細胞ではやはりFLAG標識FGF-2が均一に細胞質内に発現するのに対して、LMP1とFLAG標識-FGF-2蛋白を強制発現させたものでは、細胞質および細胞膜下に点状に共局在する事が判明した。細胞質内で点状に共局在する部位は、多小胞体の標識であるCD63、および後期エンドソームおよびライソソームの標識であるカテプシンDのいずれも陽性であった。 3)18-kDa型FGF-2蛋白はエクソソーム内に存在する。 超遠心分離法によりエクソソームを細胞培養液から分離した。ウエスターンブロット法によりエクソソーム内に18-kDa型FGF-2蛋白が存在する事を確認した。HSC70蛋白をコントロールとした。エクソソーム蛋白が増加するとともに含まれるFGF-2蛋白は増加した。
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