1)共局在するLMP1および18kDa型FGF-2は、エクソソームを経由して細胞外に分泌される。 LMP1および18kDa-FGF-2を発現させた細胞から培養液中に放出されたエクソソームを抽出した。収集したエクソソームに含まれると想定されたLMP1および18kDa型FGF-2を異なった大きさの金粒子で標識し、電子顕微鏡的に局在を調べた。その結果、いずれの蛋白もエクソソーム内で共局在することが判明した。 2)LMP1はエクソソームの細胞外放出を促進する。 LMP1による18kDa FGF-2の分泌が分泌されるエクソソームの数によるものか、それとも、エクソソーム内の18kDa FGF-2の濃度によるものかを調べた。LMP1陽性細胞および陰性細胞の培養液を収集し、それぞれ細胞培養液上清を超遠心法にて濃縮し、エクソソーム分画を抽出した。HSC70蛋白はエクソソームの特異的蛋白である。ウエスターン・ブロット法により、それぞれのエクソソーム分画に含まれるHSC70蛋白を同定し、LMP1により放出されたエクソソームが増加したかどうかを比較検討した。その結果、LMP1陽性細胞から採取した培養液では、HSC70が増加しており、LMP1はエクソソームそのものの放出を促進する可能性が示唆された。その結果、LMP1がエクソソームの分泌増かを介して、間接的に18kDa- FGF-2蛋白の分泌を促進している可能性が示唆された。
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