研究課題/領域番号 |
17591787
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田村 芳寛 京都大学, 医学研究科, 助手 (40397550)
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研究分担者 |
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 助手 (50335270)
小島 憲 京都大学, 医学研究科, COE研究員 (60378685)
安里 亮 京都大学, 医学研究科, 助手 (70283603)
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キーワード | Wnt情報伝達系 / 高度感音難聴 / GSK-3β / 有毛臍傍 / in vivo |
研究概要 |
<研究の概要・目的> Wnt(ウイント)情報伝達系は、細胞の分化・増殖に対し極めて重要な役割を担う細胞内情報伝達系である。本研究では、Wnt情報伝達系を遺伝子的に、あるいは薬剤を用いて活性化させる手法をとりいれることによって、従来の方法では増殖・再生させることの出来なかった成熟哺乳類での蝸牛有毛細胞の再生を試み、現在のところ人工内耳手術以外に治療方法がない高度感音難聴に対する新しい治療への基礎を築くことを目的とする。 <研究成果> In vivoでのWnt情報伝達系活性化による有毛細胞の再生について 前年度におけるin vitroでの実験に引き続いた実験で、in vivoの系においてWnt情報伝達系活性化を試みるものであるが、本実験の内容は比較的容易に臨床応用に移行することが可能と考えられる系である。 前年度からのin vitroの実験では、有毛細胞の増殖を示唆する所見に乏しいものがあったためin vivoでの実験については臨床応用にうまくつなげていくために慎重に実験を積み重ねている。 (1)皮下埋め込み型浸透圧持続注入ポンプ装置による経正円窓膜的持続法(モルモット)については現在ポンプからの持続注入条件をかえて実験を積み重ねている。 (2)正円窓窩に上記薬剤を含ませた徐放性ジェルを留置する方法(成マウス)においては、免疫染色や走査電子顕微鏡撮影での観察でも有毛細胞の増殖・再生を示唆する所見は現在までは得られなかった。
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