頭頸部癌細胞株培養上清中のIL-6とG-CSFの検出 頭頸部癌細胞株MMSI-1とNKO-1いずれの培養上清中にもIL-6とG-CSFをELISAで確認できた。臨床的にG-CSF産生腫瘍と判断されなかった患者より樹立した頭頸部癌細胞株培養上清中においてもG-CSFが確認できたことは、いずれの頭頸部癌細胞もG-CSFの産生能を有している可能性がある。G-CSF産生能が高い結果高濃度のG-CSFが産生された場合に臨床的にG-CSF産生腫瘍と診断されてきたのでは推測する。 患者生検材料を用いた検討 頭頸部癌組織を用いてIL-6とG-CSFの発現を免疫染色で検討した。癌細胞と癌組織に浸潤するリンパ球にIL-6の発現を認めた。一方G-CSFの発現は認められなかった。次にIL-6レセプターとG-CSFレセプターの発現を免疫染色で検討した。癌組織中の血管内皮細胞、間質の細胞にIL-6レセプターの発現を認めたが、G-CSFレセプターの発現は認めなかった。VEGFの発現を免疫染色で検討すると、癌細胞にVEGFの発現を認めた。IL-6の発現を認める癌細胞と浸潤リンパ球に近接する血管内皮細胞や間質の細胞にIL-6レセプターの発現を認め、同部位の癌細胞にVEGFの発現を認めた。このことはIL-6とVEGFの関連性が強いことを示唆するものであり、癌組織中の血管新生にIL-6の関与しているのではないかとが示唆された。 血管内皮細胞の培養 現在血管内皮細胞の安定した培養の確立の準備をおこなっている。
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