研究課題
【目的】閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)において、睡眠時の体位変換により呼吸障害イベントが著明に減少する症例は体位依存性OSASと呼ばれる。OSAS患者における体位依存性に寄与する因子を明らかにするために、作業仮説「体位依存性OSAS患者と非体位依存性OSAS患者の間には上気道において解剖学的構造の違いが存在する」を検証する。【対象・方法】年齢、body mass index (BMI)、無呼吸低呼吸指数を一致させた体位依存性(n=10)および非体位依存性OSAS患者(n=10)、およびBMIを一致させた健常者(n=10)を対象とした。覚醒時に撮影した仰臥位および側臥位のMRI画像より舌、咽頭側壁軟部組織、咽頭気道、下顎骨を立体構築し三次元的に解析した。また顎顔面形態はセファロメトリーにて解析を行った。【結果】体位依存性閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者は非体位依存性OSAS患者に比べ、咽頭側壁軟部組織の体積が小さく、上顎に対して下顎が後退しており、下方顔面長が短く顎顔面骨格が小さいという解剖学的特徴を有していることが判明した。【結論】体位依存性OSAS患者と非体位依存性OSAS患者の間には上気道に解剖学的構造の違いが存在した。この解剖学的特徴は側臥位睡眠時に気道開存性を保つメカニズムに寄与していると考えられた。OSASの治療として側臥位睡眠があるが、解剖学的特徴がその有効性に影響を及ぼすという意義ある結果が得られた。Anesthesiology2009Apr;110(4):885-90にて論文として発表された。この号の表紙としてわれわれの作成した図が採用されている。
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