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2005 年度 実績報告書

ニホンイモリにおける嗅覚系の分化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591806
研究機関日本獣医畜産大学

研究代表者

添田 聡  日本獣医畜産大学, 獣医学部, 助手 (90318569)

研究分担者 斉藤 徹  日本獣医畜産大学, 獣医学部, 教授 (70211258)
谷口 和之  岩手大学, 農学部, 教授 (70148089)
キーワードニホンイモリ / 嗅上皮 / 鋤鼻上皮 / GTP結合タンパク / Golf / Goα / acetylated tubulin / フェロモン
研究概要

ニホンイモリCynops pyrrhogasterの発生および成熟過程における嗅上皮および鋤鼻上皮の感覚上皮細胞の機能の変化を解析するため、幼生および成体の嗅覚系において、GTP結合タンパクGoαおよびGolfの発現を免疫組織化学的に検索した。さらに線毛を持つ嗅感覚上皮細胞と微絨毛を持つ鋤鼻感覚上皮細胞におけるGoαおよびGolfの発現を繊毛に特異的に分布するacetylated tubulin免疫組織化学によって検索した。鋤鼻上皮は水中生活期では明らかではなく、上陸直後の個体以降で認められた。Goα陽性反応は、水中生活期では、鼻腔上皮における感覚上皮細胞の鼻腔表面、樹状突起、細胞体および軸索に認められたが、上陸後、嗅上皮および鋤鼻上皮の感覚細胞の鼻腔表面の陽性反応は消失していた。成体においては嗅上皮および鋤鼻上皮の感覚細胞表面に陽性反応が認められた。Golf陽性反応は、水中生活期および上陸後の全ての幼生個体の嗅上皮および鋤鼻上皮の感覚細胞表面に認められたが、成体においては鋤鼻上皮の感覚細胞表面に陽性反応は認められなかった。成体におけるacetylated tubulinとGoαおよびGolfの免疫二重染色によって,Golfは繊毛を持つ嗅感覚上皮細胞に発現し,Goαは繊毛を持たない細胞に発現することが明らかとなった。以上のことから,ニホンイモリにおいては、発生および成熟過程での生活環境の変化に応じて、受容する匂い分子およびフェロモンの種類とそのシグナル伝達過程が変化することが予想されるが、感覚細胞表面に発現するGタンパクの種類の変化は、このような機能的な変化を反映しているものと考えられた。さらに,嗅上皮においては,GoαおよびGolfは異なった感覚上皮細胞に発現し,Golf陽性の嗅感覚上皮細胞とGoα陽性の鋤鼻感覚上皮細胞が混在している可能性が示唆された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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