研究課題/領域番号 |
17591814
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
石本 晋一 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 人工臓器機器開発研究部, 研究員 (40292932)
|
研究分担者 |
角田 晃一 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 部長 (30197751)
|
キーワード | 鼻 / 口腔湿度計 / 口腔乾燥 / 慢性副鼻腔炎 / アレルギー性鼻炎 |
研究概要 |
平成17年度は鼻の口腔湿度計調節機構の解明に必要な口腔湿度計の改良および使用機器としての精度に関して動物およびヒト(ボランティア)で検討した。発売されていた口腔湿度計(Mucus(株)ライフ)を購入してボランティアで測定した。当初誤差が非常にあったため、2段階で改良してMucusIIIを開発した。そして動物実験およびヒト(ボランティア)で測定して有効性を検証した。改良したMucusIIIをボランティア165名(年齢:32.9±14.7)の頬粘膜、舌、口唇をそれぞれ5回測定して平均を算出して比較した。測定した結果は頬粘膜が31.3±1.7、舌30.9±1.8、口唇は31.8±1.6(値は粘膜下の水分量に依存する電荷量に比例する値)で3者の間に有意差は認めなかった。ヒトにおいては改良した口腔湿度計は口腔粘膜の保湿状態を検証する機器として有効性であると考えた。また動物実験においては唾液分泌低下モルモットを作成して開発中の口腔水分計を検証した。実験にはモルモット(♂)13匹を用いた。8匹は頸部切開を行い、唾液腺を摘出した。5匹は頸部切開のみを行った。手術前、術後1ヶ月後に唾液分泌量、唾液検査紙、及び口腔水分計を用いて舌の水分量を測定した。唾液腺摘出群では唾液量、唾液検査紙で術前と比較して有意に唾液分泌低下を認めることができた。口腔水分計においても有意に舌粘膜下の水分量の低下を認めた。一方、切開のみを行った群では手術前後で唾液量、唾液検査紙で唾液分泌低下は認めなかった。口腔水分計でも有意差は認めなかった。今後はこのMucusIIIを使用して慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎で鼻の閉塞している症例で口腔湿度を測定して鼻が役割をしている口腔の湿度調節機能を検討していく予定である。
|