研究課題/領域番号 |
17591814
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
石本 晋一 国立病院機構, 東京医療センター(臨床研究センター)人工臓器機器開発研究部, 研究員 (40292932)
|
研究分担者 |
角田 晃一 国立病院機構, 東京医療センター(臨床研究センター)人工臓器機器開発研究部, 部長 (30197751)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
キーワード | 鼻 / 口腔水分計 / 口腔乾燥症 / シェーグレン症候群 / 慢性副鼻腔炎 / アレルギー性鼻炎 |
研究概要 |
今回の研究では鼻の口腔湿度計調節機構の解明に必要な口腔湿度計(MucusIII)の開発よりはじめた。というのも口腔内の粘膜の水分量を測定する方法としては従来のガムテストなど以外には評価方法が無く他覚的に数値で口腔内の水分の状態を評価する方法がなかったからである。初年度はMucusIIIの開発に従事した。そして開発業者と協力して再現性のある機器(MucusIII)を作成した。MucusIIIではヒトに用いる前に動物実験を行い、その有効性を立証した。(ANL2008 Ishimoto, et. Al.)その後健常人の舌、頬粘膜、口唇粘膜で測定して正常値を求めた。そして次年度には唾液腺萎縮により口腔乾燥を生じている代表的な疾患であるところのシェーグレン症候群(以下SJS)症例にMucusIIIを用いて測定して口腔乾燥症例の診断に有用であることを立証した。そして口腔粘膜よりも舌で測定することが有効であることが判明した。MucusIIIは口腔粘膜下の水分量を測定する機器であるが頬粘膜、口唇粘膜には粘膜下に小唾液腺が存在する。そのため小唾液腺の影響を受けるためにMucusIIIで口腔乾燥を評価することは困難であると考えた。MucusIIIを用いて慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎で鼻の閉塞している症例で口腔湿度を測定して鼻が役割をしている口腔の湿度調節機能を検索することした。慢性副鼻腔炎で術後に完全にパッキングした症例、アレルギー性鼻炎で鼻閉の強い症例で測定したが健常人と有意な差は認めなかった。鼻閉により口呼吸を行うことで口腔乾燥が生じていることが考えられるが今回の測定では明らかな低下は認めなかった。日中は口をできるだけ開けることを少なくして(唾液量分泌量が増加している可能性もある)健常人と同様な口腔内の環境を作りだしているためと推測した。
|