研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は脳機能画像法を用いて前庭刺激、視運動刺激時の脳賦活領域を計測してめまい患者の結果と比較し、主観的めまい感覚の客観的評価を試みることであった。賦活領域の検索にはSPM(statistical parametric mapping)を用いた。神経学的異常のない正常人ボランティアでは、右側外耳道を冷風で灌流する温度刺激によってめまい感覚が誘発され、左島、左下頭頂小葉(BA40)、下後頭回(V5:BA19/37)、右楔前部(BA7)、右補足運動野(SMA : BA6)、右中前頭回(BA11)、左小脳半球の各領域が賦活された。正常人におけるめまい感覚を伴わない小視野視運動刺激時には、左一次視覚野(V1:BA17)、左右の中後頭回(V5:BA19)、左右の楔前部(BA7)、左中心前回(BA4)、左海馬が賦活された。正常人におけるめまい感覚認知には島、下頭頂小葉、補足運動野などが関与することが示唆され、V5や楔前部は前庭刺激、視運動刺激に共通する眼球運動、あるいは外界の回転認知に関与すると推測された。一方、めまい患者の視運動刺激では、左一次視覚野(V1:BA17)、左右舌状回(V5:BA18,19)、左補足運動野(SMA : BA6)、左右中心前回(BA4)、右島-下前頭回(BA47)、右下頭頂小葉(BA40)、左尾状核-脳梁、左中側頭回(BA21)が有意に賦活された。めまい患者では視運動刺激で前庭領野(島周辺、下頭頂小葉)、補足運動野、基底核において正常人では見られない賦活が認められた。めまい自覚時の日常人の所見、及びめまい患者の視運動刺激時の所見を総合すると、「めまい」の自覚には島、下頭頂小葉の関与が中心的役割を果たしていると推測され、種々の条件下でこの領域の賦活状況を評価することで「めまい」の客観的把握が可能になると期待された。
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