研究課題/領域番号 |
17591822
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
野呂瀬 一美 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (30156244)
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研究分担者 |
青才 文江 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (80150316)
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キーワード | トキソプラズマ性網脈絡膜炎 / 血液 / インターフェロンガンマ / Toxoplasma gondii / ぶどう膜炎 / 接着分子 / 感染感受性 / QC-PCR法 |
研究概要 |
トキソプラズマ性網脈絡膜炎(本症)発症における、血液及び網膜血管内皮細胞の役割を解明するために以下の実験を行った。野生型感染感受性C57BL/6マウス、野生型感染抵抗性BALB/cマウス、各々のバックグランドを持つインターフェロンガンマノックアウト(GKO)マウスを用い、T.gondii弱毒株シストを経口感染させ、経時的に血液からDNAを作成し、T.gondii数をQuantitative Competitive(QC)-PCR法で解析した。野生型マウスでは感染後1週問でT.gondii数が最大となり、その後、減少するが、GKOマウスでは経時的に増加し、10日前後で死亡するまで上昇し、また、GKOマウス中のT.gondii数は野生型マウスに比較し有意に多数であり、感染感受性マウスは感染抵抗性マウスよりも多数のT.gondiiが存在することが明らかになった。さらに、感染後1週間の血液中の各種白血球分画からDNAを作成し、T.gondii数を解析したところ、各種白血球分画にT.gondii DNAが存在するが、有意差はなかった。さらに、野生型及びGKOマウスの感染後1週間の血液中から分離した各種白血球分画を野生型マウスに腹腔内注射し一ヶ月後には脳内にT.gondii、DNAが確認されたことより、経口投与されたT.gondiiは血液中の各種白血球分画によって全身(脳内)に播種することが確認された。また、T.gondiiに感染したマウスの白血球内に、T.gondiiが存在し、単一細胞内に複数認められたことより、T.gondiiは末梢血白血球内で分裂可能であった。現在、眼球、脳、および血液を摘出し、眼球は、虹彩・毛様体、網膜、脈絡膜、視神経にそれぞれ分離しDNA、RNAを抽出し、各種接着分子の発現を解析中である。
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