研究課題/領域番号 |
17591825
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
東出 朋巳 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (20291370)
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研究分担者 |
大久保 真司 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (90362003)
杉山 和久 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (80179168)
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キーワード | 網膜神経節細胞 / 生体内観察 / 走査レーザー検眼鏡 / ラット |
研究概要 |
走査レーザー検眼鏡(SLO)によるラット網膜神経線維層(RNFL)の観察と定量性の検討 Brown NorwayラットのRNFLは、SLOによって明瞭に観察された。SLOの共焦点口径を最小としてRNFLが観察される屈折値の幅(ΔF)を決定した。視神経損傷(経結膜的に右眼の視神経を挫滅)前および1、2、4週後のΔFは、それぞれ7.1±0.4、7.2±0.7、3.4±0.5、1.2±0.4D(n=21)であり、ΔFは視神経損傷後2週目以降に有意に減少した。対照眼のΔFは不変であった。 また、SLO撮影後に網膜組織切片を作成しRNFLの厚み(NFLT)を定量したところ、視神経損傷前および1、2、4週後のNFLTは24.9±2.4、25.9±3.3、9.8±1.0、3.9±0.2□mであった(各n=4)。SLOでのΔFと網膜組織切片でのNFLTは有意に相関した(r=0.86,P<0.001)。したがって、SLOはラットRNFLを生体内で定量的に観察するのに有用である。 SLOによるラット網膜神経節細胞体(RGC)の観察と定量性の検討 上丘に注入されたDiAによって逆行染色されたRGCは、SLOによって明瞭に観察された。脳定位的な上丘内注入法では、染色性にばらつきはあるものの軸索に比べて細胞体が濃く染まった。DiAを上丘表面に塗布した場合には、染色効率は高くなるものの軸索が濃く染まるために細胞数を計測しにくくなった。 1眼1ヶ所任意に部位を設定しSLOにて蛍光(+)細胞数を経時的に計測したところ、視神経損傷後1週から有意に細胞数は減少した(n=6)。また、SLOと同一部位の蛍光(+)細胞数を網膜伸展標本において蛍光顕微鏡によって定量したところ、SLOによる定量と有意差はなかった。したがって、SLOはラットRGCを生体内で定量的に観察するのに有用である。
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