研究課題/領域番号 |
17591832
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
日下 俊次 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (60260387)
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研究分担者 |
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20362717)
西信 良嗣 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30379193)
不二門 尚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50243233)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
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キーワード | 未熟児網膜症 / VEGF / DNAマイクロアレイ / 血管新生 / モデルマウス |
研究概要 |
未熟児網膜症は小児の失明原因の第一位を占める重要な疾患である。網膜上に新生血管を生じた重症例では確立された治療法として網膜光凝固があり、多くの場合、これを適切に行うことで病状の進行を抑制できる。しかし、最近の周産期医療の進歩により、超低出生体重児の生存率が向上し、重症の未熟児網膜症の患児が増加していることもあり、網膜光凝固を適切に行っても失明に至る患児は減少していない。今回の研究では未熟児網膜症の新たな治療法の開発を目的に、未熟児網膜症モデルマウスを用いて研究を行っている。 昨年度までに未熟児網膜症モデルマウスでcDNAマイクロアレイを用いて、新生血管の発現する生後15〜17日に発現が上昇あるいは低下する遺伝子群を包括的に検討した。今年度はこれら遺伝子の発現に関してさらに詳しく検討するため、cDNAマイクロアレイにて変動がみられた遺伝子のうち約90個を選択し、Taqman Low Density Arrayを用いて遺伝子の発現を定量的に検討し、また網膜伸展標本にて検討した病像との比較を行った。その結果、生後12〜14日の網膜上新生血管が発生する前の段階で発現が上昇する遺伝子群として炎症関連遺伝子、虚血に関連する遺伝子の上昇がみられた。これに2,3日遅れて新生血管に関連するVEGF、IGF-1関連遺伝子群の上昇がみられ、同時期に網膜伸展標本でも新生血管の発生が最大となった。これらの知見により未熟児網膜症モデルマウスでの病態理解を深めることができた。
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