研究課題/領域番号 |
17591834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大黒 伸行 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00303967)
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研究分担者 |
竹内 洋文 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50171616)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | ドラッグデリバリーシステム / キトサン / リピッドナノスフェア / 点眼剤 / クラスター解析 / 実験的ぶどう膜炎 |
研究概要 |
我々は、キトサン修飾リピッドナノスフェア(CS-LNS)が後眼部を標的とした新しい点眼システムになりうるか否かについて検討した。(実験1)DiI色素を内包したCS-LNSを家兎に点眼し、1日、間後眼球を摘出して共焦点顕微鏡にてDiI色素の眼球内分布を組織学的に検討した。csを修飾していないLNSをコントロールとして用いた。その結果、キトサン修飾粒子では、色素が眼球表のみならず前部強膜-網脈絡膜にも移行していることが観察できた。また、後部強膜-網脈絡膜にも色素分布が観察できたが、その程度はかなり低かった。(実験2)CS-LNSにシクロスポリンを封入しウサギに点眼した。点眼後1時間で眼球を摘出し、結膜・角膜・強膜・虹彩・水晶体・前房・前部強膜-網脈絡膜・後部強膜-網脈絡膜を分離して採取し、各部分におけるシクロスポリン濃度を測定した。その結果、結膜と角膜では高濃度のシクロスポリンを検出した。前部強膜-網脈絡月においてもシクロスポリンは検出できたが、角結膜に比較すると少なかった。後部強膜-網脈絡月においてはさらに測定された濃度は少なかった。虹彩、前房、水晶体、硝子体では測定限界以下であった。以上の結果から、CS-LNS点眼により、結膜→テノン嚢→強膜という経路で薬剤運搬が行われているのではないかと推測された。我々の結果は、CS-LNSが後眼部を標的とした新しい薬剤運搬システムになりうることを示すものであった。 一方、点眼実験とは別に、眼炎症性疾患に対する新しい治療標的分子を検索する目的で、実験的ぶどう膜炎マウスにおける副腎皮質ホルモン(ステロイド)投与後の炎症関連遺伝子の変化を検討した。遺伝子発現変化は117のサイトカイン・ケモカイン・それらの受容体が載っているDNAチップを用いて検討した。個々の遺伝子発現変化をクラスター解析法により分析した。その結果、炎症発症から寛解までの間におけるこれらの遺伝子発現変化には4パターンあることを見出した。この知見は、今後新規薬剤開発の端緒を開くものとして大いに期待できると考えている。
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