研究課題/領域番号 |
17591842
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
筒井 順一郎 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (60264404)
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研究分担者 |
谷原 秀信 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (60217148)
古賀 貴久 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70372787)
伊藤 康裕 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (70380996)
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キーワード | スカベンジャー受容体 / LOX-1 / 脈絡膜新生血管 / 加齢黄斑変性症 / スタチン |
研究概要 |
平成17年度より脈絡膜新生血管の発症機序、進展にスカベンジャー受容体が関与している可能性が示唆された。新規治療法開発のため本年はこの様な高脂血症、動脈硬化でのプラーク形成に抑制効果のあるHMG-CoA還元酵素阻害薬の脈絡膜新生血管に対する効果に関して本年度は検討を行った。 1)実験的脈絡膜新生血管膜モデルに対するHMG-CoAレダクターゼ阻害薬の効果検討 レーザー誘発脈絡膜新生血管(CNV)モデルを作製し、HMG-CoA還元酵素阻害薬(ピタバスタチン)のCNVへの効果について検討した。方法はオス6週齢のBrown Norwayラットの両眼底にレーザー照射を行い、CNVモデルを作製した。ラットはピタバスタチン内服(ピタバスタチン1mg/kg/day、n=14)群とコントロール群(n=14)に分け、投与はCNV作製より1日前より行い14日間行った。モデル作製14日後に蛍光眼底造影(FA)を行い、レーザー部位の蛍光漏出の程度をCNVスコア(スコア0-3の4段階)で評価した。FITC-dextrarを灌流して眼球を摘出、フラットマウント標本とし、蛍光顕微鏡で撮影しCNV面積(FITC-dextran size)を比較検討した。一部の摘出眼球はCNV厚を観察するために組織学的検査(H&E染色)を行った。結果はFAのCNVスコアはコントロール群が1.889±0.12だったのに対し、ピタバスタチン群は1.356±0.085で有意に低かった(p<0.05)CNV面積はコントロール群が41.24±2.48、ピタバスタチン群が29.51±2.85(×10^3μm^2)で有意に抑制された(p<0.05)。CNV厚もコントロール群に比ベピタバスタチン群のものは薄い傾向にあった。以上よりピタバスタチンは実験的CNVを抑制する効果があることが示唆された。 平成17年度に行った、1)黄斑下手術により採取をした脈絡膜新生血管膜に対する免疫組織化学的研究2)レーザー誘導脈絡膜新生血管モデルを用いた、LOX-1の脈絡膜新生血管形成に及ぼす影響の検討に関しては現在論文投稿準備中である。
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