研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、加齢黄斑変性(AMD)とポリープ状脈絡膜血管症(PCV)において、眼球の解剖学的な特徴、特にブルッフ膜に着日しその異同点を明らかにすることにより、PCVの病態を解明し、治療法を探索することである。PCVの治療法についてはまだ確立されていないが、従来のレーザー網膜光凝固の他、欧米では光線力学的療法などが試みられている。また、欧米では、加齢黄斑変性などの網膜疾患に非水溶性ステロイドであるトリアムシノン(TA)の硝子体やテノン嚢下注射を行うことによって視力の維持および病巣縮小の効果が期待されていることから、日本人のAMDに対するTAの効果を評価した。その結果、日本人においても欧米人における効果と同等の効果が得られることが明らかになった(Ito et al.Ophthalmologica.220:118-124,2006;大久保明子.日本眼科紀要.57:68-70,2006;坂本泰二ら.眼科.48:295-302,2006;大久保明子.あたらしい眼科.印刷中)。さらに、AMD,PCVの病態に紫外線暴露が関与するかどうかを解析するために、顔面皺量・しみ量を計測し、疾患との関連を調べた。この結果は、現在論文として投稿中である(Hirakawa et al.submitted)。また、PCVの中にはAMDの性質を色濃く備えたもの、そうでないものがあることを臨床データの解析より見出した。この結果についても、現在論文として投稿中である(Okubo et al.submitted)。
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